Kさんご夫妻は、来年ご主人が定年を迎えるにあたり、セカンドライフのスタイルを検討しています。
最近とても人気の海外移住か、もしくは住み慣れた日本でのシニア向けマンションか。
どちらにしても、毎月の年金23万円ほどでも十分やっていけそうです。
そんなご夫妻が、最後に海外移住を選んだ意外な決め手とは、一体何だったのでしょうか?
60歳以上の海外移住者は、年間約18万人!
この数字は「平成29年版・海外在留法人数調査統計」からの数字です。
永住を除く3ヶ月以上の在外邦人数トータルが約87万人ですから、物凄い勢いで増えていることが分かります。
海外移住先人気ランキングでは、3位がハワイ、2位がタイ、そして1位は12年連続でマレーシア!
その理由は、物価が安いこと、年間平均気温が27度とほぼ一定で過ごしやすいこと、そして日本との時差がわずか1時間しかないことなどが主なようです。
最近移住先として人気が急増しているヨーロッパのポルトガルは、物価も安く魅力的な国ですが、日本との時差は8時間。いざという時いつでも日本へ行ける、孫といつでも気軽に電話で話す、という訳には行かないですね。
Kさんの奥様も、当初は海外移住には抵抗がありましたが、一度観光を兼ねて下見に行ったところ大変気に入った様子。
ご夫妻で共通の趣味であるゴルフも、日本では1ラウンド約1万円がマレーシアでは約3,000円程度。かなり惹かれているご様子です!
マレーシアでは、毎月23万円前後の年金でも十分贅沢な暮らしができる
Kさんご夫妻の年金は、毎月23万円程度となりそうですが、できれば貯金は食いつぶさずに年金だけで生活していきたいところ。
現在のご自宅は社宅のため、持ち家はありません。資産は退職金の2,000万円プラス貯金の1,000万円で合計3,000万円といったところ。
もし毎月の年金だけで生活が出来るのであれば、イザ!という時に備えて預貯金には手を付けずに済みます。
調べると、マレーシア・クアラルンプールで5LDKの豪華な部屋を賃貸しても、な、な、何と6万円程度から!?
交通機関はシニア割引が使え、物価も安いのでお買い物や食費、たまのゴルフなどを考えても、知人からは毎月20万円前後で十分楽しい生活が送れると聞いて本当にビックリ!
心はかなりマレーシア移住になびいています。
住み慣れた日本で、シニア向けマンションでのセカンドライフも捨てがたい
一方現在、全国で約7500棟、約22万人もの人が入居している「シニア向けマンション」は、食堂や医療施設、娯楽施設などが揃った分譲マンション。
退職金や持ち家を売ったお金で「シニア向けマンション」を購入し、年金で生活費を支払う方が多いそうです。
千葉県にある700世帯ほどが入ったシニア向けマンションは、価格は1LDK・70㎡で3,000万円程度、1Kなら1,100万円から購入可能とのこと。
キッチンはIH、室内は完全バリアフリーに、至るところに設置された手すり。家事代行サービスも10分500円からと、様々な配慮が施されています。
まるで学生時代のような楽しいコミュニティーサークルや、美味しい食事三昧でも、やはり年金で十分に謳歌できます
こちらのシニア向けマンションでは、テニス、社交ダンス、麻雀など80種類ものサークルがあり、入居者はいくつでもサークルに参加することができます。
これらのサークル活動にかかる費用は「施設利用費」として毎月支払っている7万6,000円にすべて含まれているとのこと。
元気な同年代同士で、現役時代にはあまり出来なかった友人もたくさん出来るそうです。
そしてもう一つの魅力が、施設内にある入居者が自由に利用できるレストラン。
和食、洋食、海鮮、焼肉やすき焼きが食べられるレストランの4つが入っていて、これら4つのレストランで出される15種類のメニューはすべて管理栄養士が監修しており、入居者の朝はプレート定食、夜は4つのレストランから好きなメニューを選べます。
1日2食、1400円で食べることができ、毎月「食費」として支払っています。
毎日の料理を作る手間も省け、美味しい料理を毎日1日2食ずつ食べても一ヶ月でご夫婦合わせて8万4,000円!
看護師常駐の保健室もあり、車が必要な通院をする方向けの送迎サービスもあり。
これで占めて一ヶ月間の生活費は、19万9,000円程度が平均的とのこと!
マレーシアも良かったけれど、やっぱり住み慣れた日本で、いつでも可愛い孫と会えるシニア向けマンションライフに、Kさんご夫妻はまたまたグググッと心が揺れていきます、、、。
Kさんの意外な最後の決め手は、日本の超少子高齢化
Kさんが今勤めているのは、大手人材教育会社。Kさんご自身も60歳までは、現場の最前線で若手や中堅社員のモチベーションアップの研修講師をやっていました。
顧客の大半は大手企業でしたが、良く知り合いの中小零細企業の社長さんからは、「うちの会社ももっと人材教育にお金が掛けられたら、、、、」という悩みを持ちかけられていました。
ですから、定年後もし日本でセカンドライフを送るなら、過去のノウハウを生かして中小零細企業の社員教育を、安い料金でやってあげたいと思っていました。
シニア向けマンションを購入してしまったら、預貯金の資産が無くなってしまうという不安もあったため、75歳までは働き続けたいという理由もあります。
そんなKさんが、ある日書店で手にしたのは「未来の年表〜人口減少日本でこれから起きること〜河合雅司著」。そこには日本の超少子高齢化による、近未来が書かれていました。
・2019年 IT技術者が不足し始め、技術大国の地位揺らぐ
・2020年 女性の半数が50歳越え
・2023年 企業の人件費がピークを迎え、経営を苦しめる
・2024年 全国民の3人に1人が65歳以上
・2026年 認知症患者が700万人規模に
・2027年 輸血用血液が不足
日本が急速な少子高齢化を迎えていることは分かっていましたが、こうして統計上の数字を突きつけられると、日本の将来に危機感を強く感じざるを得ないKさん。
もちろん、国もあらゆる手段を講じていくのでしょうが、出生数や死亡数、婚姻率などの統計は嘘を付きません。
あっという間に読み切ると、書店で隣に置かれていた「未来の年表2」も購入。
それにも衝撃な近未来予想が書かれていました。
・80代が街を闊歩し、窓口・売り場は大混乱する
・老後資金が貯まらず、「貧乏定年」が増大
・オフィスが高齢化し、若手の労働意欲が下がる
・高齢女性の万引きが、刑務所を介護施設にする
・林立するタワーマンションも「天空の老人ホーム」と化す
特に愕然としたのが、後継者の居ない企業では、黒字経営にもかかわらず多数が廃業していくとのこと。そしてそれは、2015年から2025年に集中するのだとか。
また社員の平均年齢もどんどん上がっていき、40代で部下の居ない平社員が増加し、モチベーションも上がらなくなるだろうと。
果たして、そのような企業の流れの中で、定年退職した自分を人材教育で雇ってくれるところなどあるのだろうか、、、。
それ以外でも、救急搬送される人がどんどん増え、一方で救急隊員の数は減っていくことで、一刻一秒を争うもしも!の際も救急車の到着時間はどんどん伸びていくそうです。
そして医療費などの社会保障を支えてくれる若い世代がドンドン減っていく日本では、10年後20年後の将来の不安はあまりにも大きすぎると考えたのです。
唯一の資産となるシニア向けマンションだって、将来に渡って資産価値があるかも疑問です。
セカンドライフだって将来に希望を持ちたい
リタイアメント後は、今や余生ではありません。
第二の人生として、まだまだ何十年も夢を持って行きていく時代です。
日本人移住ナンバーワンのマレーシアは、人口も毎年約50万人ずつ増加。この先もその予想は変わりません。
人口ピラミッドを見れば分かるように、若者がどんどん増えていっています。そして国民の平均所得も上がっていっています。出生率だって2.0。
つまり、この先も社会は成長し続けていく未来のある国”マレーシア”。
未来は子どもたちだけのものではありません。私達シニア世代にだって、まだまだ大きな夢を持ち続けていける社会が重要です。
こうしてKさんご夫妻は、最後は日本の「超少子高齢化」が決め手となって、マレーシアへの移住を決めたのです。
もちろん、海外旅行保険も年齢を気にせずにずっと加入できるものを見つけ、イザ!という時にも備えられそうです。
Kさん、共に夢を追い続けましょう!
※参考記事
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/s-r_to_singapore_with/” title=”糖尿病持ち55歳。セミリタイアでシンガポールへ。” content=”持病を持っている方の海外移住には、ちょっとした工夫が必要です。”]
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/oti-and-cancer/” title=”海外渡航中はガンでも治療費補償、180日ルールのメリット・デメリットとは” content=”海外移住の場合、海外旅行保険だけではなく、日本の医療保険も残しておくのがお勧めです。”]
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/71_years_of_age_or_older/” title=”高齢のご夫婦が、長期で入れる海外旅行保険を探している理由” content=”70歳を超えると長期で入れる海外旅行保険が殆ど無いため、海外長期滞在に躊躇してしまうケースが良くあります。”]
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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