2006年以降、13年連続日本人の移住先№1となっているマレーシア。
物価も安く、気候・治安の良さ、親日国であることや英語が使えるなど様々な理由がありますが、長期ビザの取得要件が比較的簡単で、将来を見据えた資産形成にも有利な点も大きいでしょう。
マレーシア長期滞在ビザと言えばMM2Hが有名です、このビザ取得のためには一定の財産の保有や無犯罪証明などに加えて、マレーシア現地で有効な医療保険の加入が義務付けられています。
マレーシア現地ではビザ取得に有効な、且つ海外旅行保険に比べれば大変安い医療保険も日系保険会社から発売されています。
物価がとても安く、医療水準も高いマレーシア。現地で販売されている医療保険に入っておけば果たしてそれで安心なのか?
一般的にビザ取得時に必要で、安価で入れる日系保険会社から発売されている医療保険と、海外旅行保険との違いにスポットを当ててみようと思います。
まずはマレーシアの医療事情から
物価は日本の約3分の1、と言われているマレーシア。
保険制度のないマレーシアでは国からの補助金により、とても安く国・公立病院へ行けるため、医療保険に入れない人達でごった返しています。衛生面などは決していいとは言えず、またマレー語以外は使えないのが現状です。
ですから、中間層や富裕層・外国人は、民間の医療保険に入ってクリニックや私立の病院を利用しています。また、そのような病院は、医療技術の水準も高く安心して身を任せることができるでしょう。
もちろん、医療費も非常に高額になります。
マレーシア国民の利用する国・公立病院と、私立病院との医療費の開きは何と100倍以上は当たり前となるそうです!
例えば内科の治療費を例に挙げると、マレーシア人が公立病院を利用した場合は「無料〜10RM」に対して、私立病院の場合は「55〜6,145RM」となります(2019年6月現在1RM=約27円)。
このことは、移住先として外国人である私達がマレーシアでの医療の備えを考える上では、重要なポイントとなりそうですね。
MM2Hビザ取得の要件を備える、現地日系保険会社の医療保険

日系大手損害保険会社の、マレーシア現地法人で発売されている医療保険の資料を見てみましょう。
ビザ取得の要件を満たすもので、一番シンプルなものを見ると18歳までなら118RM、50歳までなら251RM、そして65歳まででも453RM程度で加入が出来てしまいます。453RMといえば日本円で約12,200円程度。
一番補償額の大きなプランでも、65歳までの712RM=19,200円程度ですから、海外旅行保険に比べたら圧倒的に安いことが分かります。
ビザ取得の要件も満たし、これでマレーシアの医療にも備えられるなら大きな安心かもしれません。
現地医療保険のメリット・デメリット

一番のメリットは、何と言っても先程お伝えした通り保険料が非常に安いことです。
一方最大のデメリットは、病気入院・手術・ケガ治療を主な補償内容としていることです。
そう、つまり病気については入院・手術で無ければ対象とはならないのです。
けがの場合には、クリニックでの診察・治療も対象となります。
※スマホの方は右にスクロールで | 現地販売保険 | 海外旅行保険 |
---|---|---|
通院(風邪や食あたり等の軽度の病気や怪我) | ☓ | ◎補償対象 |
最小加入年齢 | 生後30日〜 | パスポート発行後即 |
けがでの診察・治療 | ◎補償対象 | ◎補償対象 |
病気入院・手術 | ◎補償対象 | ◎補償対象 |
一回の病気・ケガの補償対象期間制限 | 項目によって60日間まで等の制限あり | 初診やケガから180日以内の全ての治療が有効 |
補償対象国 | マレーシアのみ | 世界中(※日本を含む) |
※海外旅行保険の補償対象国に日本を含ませる場合は3ヶ月以上のプランに加入する条件があります。
また補償の限度額ですが、一番安いプランは年間通算で50,000RMですから日本円で135万円。一番大きなプランでも405万円なので、利用する民間病院や治療内容次第では、補償額が十分とは言えません。
高度な医療を求める重大な病気の場合は、あっという間に補償される限度を超えてしまうことが考えられます。
日本人会のオリエンテーションでは、冒頭「マレーシアの医療費は高額です」と教えられるそうですが、この限度額では正直心許無いでしょう。
また、日本への緊急移送費用も付帯されていません。万一の際の遺体処理費用や日本への搬送費用もありません。
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/document_emergency_transport/” title=”海外旅行保険_ドキュメンタリー・緊急移送!” content=”想像もつかない「まさか!」のリスク_一刻を争う緊急時に飛行機をチャーターしての移送であれば、ゆうに1,000万円以上。現地で緊急治療後日本への転院や、運悪く海外でお亡くなりになった場合の遺体搬送などでも、300万円以上は掛かることが大半”]
医療保険ですので健康告知も加入時に必要となり、健康状態によっては加入を断られることや、補償内容に条件が着くことも忘れないようにしてください。
但し、一度ご加入が出来た場合は以後例え毎年利用限度まで使っていても、更新が拒否されることが無いのは海外旅行保険に比べてメリットと言えるでしょう。
新規で加入出来る年齢は65歳までとなり、更新の場合は100歳まで延長が可能ですが、76歳を超えるとプランによっては年間保険料も1万RM以上となりますので、海外旅行保険と殆ど変わらなくなってきます(※海外旅行保険は通常69歳まで新規加入が可能です。保険会社によっては、年齢制限が無いものもあります)。

保険のプロが教える、マレーシア移住・長期滞在に備えたベストな保険の備え方

やはり、外国人である私達がマレーシア移住・長期滞在中の医療に備えるのであれば、まずは海外旅行保険は必須であると言えるでしょう。
家族で移住されている場合、家族全員が海外旅行保険に入らなければいけないといった規定はありませんので、小さいお子様がいらっしゃるご家庭はお子様だけでも海外旅行保険に加入するといった選択も私はアリだと思います。急な発熱などもこれで安心です。
第二の人生を歩まれているご夫婦もマレーシアには沢山いらっしゃると思います。「自分は大丈夫」と思われていても、例え常日頃から気を付けていても、病気やケガは突然やってきます。
あなたの大切な人生を左右する高額な医療費に対し、準備を整えておくことは重要なことだと思います。
しかしながら、マレーシア現地の医療保険も入院や手術、事故・怪我による備えとしてはあってもいい、いやこれだけ安い保険料なら是非かけておくべきだろう、というのが私の意見です。
その理由は、海外旅行保険の場合、利用のし過ぎで更新を断られるかもしれない、というリスクがあるからです。
そんなもしもに備えて、現地医療保険の最低補償のプランをプラスしておけば、大きな安心となるからです。
ビザ取得の要件も満たす一番安いプランのものなら、50歳まで250RM以下61歳〜65歳でも453RMです。
利用出来る補償額は低いですが、この保険料でも万一入院の際には、マレーシアで必要な入院保証金(デポジット)も保険から賄われます。
海外旅行保険に加えて現地医療保険を掛けておけば、入院や手術・ケガの際にはまず医療保険を優先して使っておくという選択肢も選べます。
医療保険の不足分を、海外旅行保険でカバーするというようにしておけば、大切な海外旅行保険を使い過ぎずに済みます。
旅行と違って移住や長期滞在となると、いかに長く安心な保険に入っていられるか、ということは、とても重要なこととなるでしょう。
〜私のAnswer〜
海外旅行保険+現地で販売されている医療保険=安心な海外マレーシア移住生活
※日本の海外旅行保険でビザ取得の要件を満たす場合、英文の付保証明を発行してもらうことが必要となります(保険会社・代理店に依頼すれば、付保証明はすぐに発行可能です)。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
海外でも日本でも安心な、日本の海外旅行保険まとめ
- 日本人移住先№1のマレーシア。物価が安いことで有名ですが、外国人にとっては医療費は決して安いものではありません。現地日本人会でも、冒頭そのことから説明を受けるそうです。
- ビザ取得の要件も満たした現地医療保険は非常に安い保険料で加入が可能ですが、病気は入院・手術の際のみしか利用出来ません。怪我についてはクリニックでの通院治療も対象とはなります。補償限度額も、イザ!に備えて安心とは言い切れません。
- 海外旅行保険だけでもビザ取得に適用出来ますが、私は現地医療保険の一番安いプランにも合わせてご加入されることをお勧めします。そのことで、コストとしてはかなり低額にもかかわらず、海外旅行保険が更新出来なかった時の備えにもなるからです。
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