実践済_海外旅行保険と海外療養費還付のW利用詳細解説

海外療養費還付とは、海外でかかった医療費について日本の健康保険から3割負担分以外を還付してくれる制度

但し、海外でかかった実費分の7割をそのまま還付してくれる訳では無く、日本の医療費水準にひき直した金額の7割となります。

通常海外でかかる医療費は、私達外国人にとっては日本よりも大変に高額になりますので、そのような制度があってもやはり海外旅行保険を準備する必要があります。

ところで、海外旅行保険で医療費の全額が保険で支払われても、日本に健康保険を残していれば更に海外療養費還付も利用出来てしまうということを、あなたはご存知でしたか?

私は以前から可能であると聞いてはいましたが、正直それは保険の概念上本当なのだろうかと疑問でもありました。

そこで、自ら実践してその真偽を確かめることに。曖昧な回答や情報は発信したく無いからです。

その結果とポイントを、自ら実践した経緯からお伝えします。

まずは、国民健康保険と協会けんぽの窓口に問い合わせました

健康保険の窓口では、海外旅行保険と海外療養費還付の両方を利用するのは無理だと回答されました。

私は東京都の23区に在住なので、まずは区役所の国民健康保険の窓口にその真偽を確かめるべく電話をしました。

最初の問い合わせでは、「海外旅行保険で支給された医療費については、海外療養費還付の対象とはならないはずです。領収書の原本が必要となりますから」という回答でした。「ならないはず」だそうです。

保険金支払済のスタンプが押された領収書の原本ではどうか?」と改めて問合せましたが、恐らく無理だと思います、という曖昧な答えしかもらえませんでした。

もし海外旅行保険で医療費を請求をしても、治療費の領収書の原本を返してもらうことは可能です。ただし、「保険金支払済」という捺印は押されます。

参考までに、キャッシュレスで利用した場合には領収書の原本は受け取れません。領収書自体が無いからです。

私が確認したかったのは、医療費の実費分が海外旅行保険で払われていても還付を受けられるのか、単に領収書の原本の問題なのかでしたが、その担当の方からは明確にその答えは得られませんでした。

ところが、2日後に同じ担当者の方から私に連絡があり、「もし海外旅行保険から保険金として医療費が支払われていたとしても、領収書の原本があれば請求は可能かもしれない」という回答が来ました。

その理由を問うと、個人で負担した民間の保険からの支給なので、それは考慮しない可能性があるからだとのことでした。

あくまでも「請求は可能かもしれない」という曖昧なもので、その方は前例が無いからはっきり答えられない、と繰り返していました。

けんぽ協会は、明確にNoと回答

企業で加入するけんぽ協会では、明確に出来ないと回答されました。

次に私の日本の会社で加入している、全国健康保険協会に問い合わせ。

そこでも同様のやり取りで確認をしましたが、「自己負担の無い海外での治療費については、一切海外療養費還付は認めてはおりません」とバッサリ。

区市町村で運営する健保と違って、その辺りはやはり厳しいのかとも思いましたが、たまたま自分が海外で風邪を引いて治療が必要になったので、実践・確認をしてみることに。

海外渡航後一週間のタイミングで風邪の症状になったため、今回はクレカ付帯の海外旅行保険で試してみました。

海外療養費還付とその手続方法

海外療養費還付は、健保所定の書類が必要となります。

まずは、日本の海外療養費還付制度についておさらいしてみましょう。

海外療養費還付制度とは
健康保険では、保険医療機関などで直接医療サービスが受けられる「療養の給付」を原則としていますが、やむを得ない事情により療養の給付が受けられない場合で、健保組合などの保険者が認めたときは事後に、支払った医療費から自己負担相当分を控除した額が「療養費」として払い戻されます。

海外療養費もその1つで、海外渡航中に急な病気などでやむを得ず現地で治療を受けた場合、加入する健保組合などの保険者に申請手続きを行うことにより、海外で支払った医療費の一部の払い戻しを受けることができます。
海外療養費の払い戻し額
海外療養費は、原則として日本で医療を受けた場合の診療報酬点数に換算して算定され、

(1)算定した額が海外で実際に患者が支払った額(日本円に換算した額)を下回る場合には、算定した額から自己負担分(原則3割)を控除した額が払い戻されます。

(2)算定した額が海外で実際に支払った額(日本円に換算した額)を上回る場合には、実際に支払った額から自己負担分(原則3割)を控除した額が払い戻されます。(健保保険連合会HPより)

今回私は、風邪の症状で日系クリニックへ。

診察といくつかの薬を処方してもらい、中国通貨で784元の治療費をその場で支払いました。その後保険会社に保険金請求。医療費の領収書は、保険金支払のスタンプを押した状態で構わないので返還して欲しいと一筆。

海外旅行保険で保険金を受け取った場合、領収書は支払済という捺印を押して返送してくれます。

後日、かかった医療費全額の15,599円の認定にて保険金を受取りました。

合わせて「保険金支払済み」スタンプの押された領収書原本も返送されました。

本来保険の考えで言えば、実際にかかった治療費は全額受け取っているので、これ以上保険からは受け取れないはずです。

その後、海外療養費還付に必要な所定の用紙や捺印済の領収書を合わせて健保協会に郵送(※還付に必要な書類は、事前に用意して利用した病院から記載してもらう必要があります)。

支給決定通知書には、不支給の場合にはその理由が記載されます。

申請書を郵送してからおよそ3ヶ月経過後、何とけんぽ協会からの支給決定通知書を受領しました!

認定額は2,702円となっています。

この算定根拠を確認するため、けんぽ協会へ連絡。上海での今回の治療額15,599円は、日本なら3,886円と認定。その7割分の2,702円を還付したとのことでした。

海外での治療費がいかに日本に比べて高額か、と一瞬思ったとともに、今回海外旅行保険で全額保険支給を受けたにも関わらず、海外療養費還付が認められたことに正直驚きを隠せませんでした。

「実際に還付出来るんだ、、、」

例えば国の医療制度以外に、民間で入院一日●千円という保険に加入していれば、実際の医療費とは関係無く保険金が受け取れることになるので、ある意味それと同じことのようです。

しかしそれは、定額払いの保険だからのはずだと思っていましたが、どうやら民間の保険と国の制度とは考え方が違うようなのです。

海外旅行保険と海外療養費還付のW利用時注意点

保険と療養費還付W利用のポイントは、まず自己負担払いすること

今回、私自身も改めて保険制度の勉強になりましたし、恐らくこのような情報を発信しているものはほとんど無い思います。

せっかく海外旅行保険にご加入をされていて、且つ日本に健康保険を残しているなら、ご活用されてもいいと思います。

注意点ですが、海外旅行保険でキャッシュレス利用した場合には、この海外療養費還付は使えないということ。

私が改めて今回確認した内容では、「まず一度はご自身で医療費を負担したという事実があれば利用可能です」という回答だったからです。

キャッシュレスで治療費を一度も自己負担しなかった場合、領収書も病院やクリニック、保険会社からは発行されません

参考までに、医療費控除については、「保険金支払済」の捺印がされた領収書は対象外となります。

このように、もしあなたが日本にまだ健康保険を残していて、海外旅行保険のご利用かつ海外療養費還付を受けようとされるのであれば、キャッシュレス利用はされずに一度自己負担支払いをして後日保険請求を保険会社・健康保険にする、という流れになります。

病院から海外療養費還付の所定の書類をもらったり、保険会社に後日保険金申請、そして健康保険に還付申請をするなどの手間暇はかかりますが、日本で健康保険料を払いながら且つ民間の海外旅行保険にもご加入をされていらっしゃるなら、試してみてはいかがでしょうか。

クレカに付帯された海外旅行保険でも、キャッシュレス対応をしなければ利用可能です。

この記事はあくまでも私自身の実践した結果をお伝えしているもので、利用や申請内容等により不支給となったり減額となる可能性もあります。自己責任にてご対応をお願いします。

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海外でも日本でも安心な、日本の海外旅行保険まとめ

  • 日本に健康保険をお持ちの方なら利用ができる海外療養費還付制度。実は海外旅行保険で全額保険金受領していても、Wでこの制度が利用できるのです。
  • 健康保険の窓口やけんぽ協会に問い合わせた場合、出来ないと言われるケースもあるようですが、海外旅行保険はご自身で別途保険料を払っているので、還付は還付として制度利用可能なようです。クレカ付帯の保険でも利用が出来ます。
  • 但し、一旦治療費を自己負担して払っているという事実(領収書)が必要となります。キャッシュレスでの利用の場合には、領収書が発行されず、還付を受けることも出来ません。
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