「座りすぎは喫煙と同じくらい体に悪い?」
そんなショッキングな書き出しで始まるのは、ベストセラーも出されている整形外科医・中村格子氏のコラム。
今、座りすぎの悪影響が世界各国で注目されている中、日本人の座位時間は何と断トツで世界一だそうです!
座る時間と死亡率の関係や、何故悪影響が出るのか、それに対する対策などをお伝えします!
座りすぎと死亡リスクの関係
特に欧米では座りすぎが及ぼす害についての論文がとても多く、「座りすぎは喫煙と同じくらいに体に悪い」「座りすぎはガンのリスクを高める」など、さまざまな研究結果が報告されているそうです。
オーストラリアでも、国を挙げて座りすぎ対策に取り組み、座りすぎ防止キャンペーンの動画まで作られているとのこと。
2012年のオーストラリアのある研究では、座る時間が一日4時間未満の人たちより11時間以上の人たちのほうが、死亡リスクがなんと40%も高い!という衝撃的な結果が出たそうです。
その差は、8時間以上から顕著に現れるとのこと。そのようなデータもある中、日本人は世界でも断トツに座る時間が長く、一日平均で7時間も座っていると言われています(世界の平均は5時間)。
何故長時間座るのが体に悪い?
世界で座る時間が断トツに長いと言われている日本ですが、座っている時間が短い他の国々よりも平均寿命は長く、いわゆる健康寿命についてもシンガポールに次いで世界第二位という事実もあります(2016年)。
アメリカの別の研究では、一日のテレビ視聴時間が長い人ほど、心臓血管系疾患での死亡率が高かったという報告もあります。
これは、テレビを見ることが原因なのではなく、テレビを「じっとして座って見ている時間」に影響されていると推測されます。
座っていて「動かないで」いると血流が悪くなり、その時間が長いほど血流の悪い状態が慢性化して血管が老化し、心臓血管系疾患になりやすくなるからでしょう。
長時間フライトなどで起こる「エコノミー症候群」なども、これと関連しています。
また椎間板にかかる圧力は、立っている時を100%とすると座っている時で140%、前傾姿勢で座ると185%以上になることが明らかになりました。
更に背中を丸めて座っていると、肋骨が開きにくくなったり脊椎のうち胸椎や横隔膜の動きが悪くなります。
骨盤底筋群や腹膜筋の動きも悪くなって使われなくなり、それはお腹がぽっこりと出たり尿もれを招くそうです。
やはり長時間の座りすぎは、いいことは無いようです。
対策のポイントは、いかに体の負担を軽くするか
欧米の企業では、立って仕事ができるスタンディングデスクを取り入れているところも増えてきているようですが、日本ではまだ殆ど見られません。
一方単に座りすぎてはいけない、ということでは無く、その座る姿勢についての注目も高まっています。北米の医師グループが、MRIを用いて様々な座り方による椎間板への負荷を計測したところ、後ろにもたれかかって股関節が135度くらいになるように座った時が一番いいと発表して、センセーションを巻き起こしたそうです。
日本では一般に、腰を90度に曲げて背筋を伸ばして座るのが行儀の良い座り方となっていますので、流石に135度もリクライニングをさせて仕事をするには抵抗がありそうですね。
中国のオフィスで働く中国人社員には、良く見られますが、、、。
コラムを書かれている中村氏は、股関節を110度程度に開き、背骨のカーブを保つ座り方で負担を減らすことを推奨されています。
座りすぎが必ずしも死亡リスクと直結とは安易に言える訳ではありませんが、様々な健康面には影響があるのは間違い無さそうです。
もしあなたが、仕事でも日常でも座っている時間が長いのであれば、長寿や健康維持のためにも座り方を見直す必要があるかもしれません。
尚参考までに海外旅行保険では、腰痛は持病や医学的に他覚所見がない場合(腰痛が続いている根拠がはっきりしない長期の痛みなど)については対象外となります。
ただし、保険ご加入後初めて痛み始めた腰痛や、突然捻ったり重い物を持ち上げた際にぎっくり腰になったなどは保険対象です。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
海外でも日本でも安心な、日本の海外旅行保険まとめ
- 欧米やオーストラリアなどでは最近、長時間の座りすぎが健康リスクを高めるという報告が多数出ており、国を挙げて対策をしているところもあります。
- 一日8時間以上座っていると4時間未満よりも40%以上も死亡リスクが高まるという報告もあります。日本人は世界で何と断トツ一位の座位時間だそうです(平均7時間以上)。
- 日本人の平均寿命を見れば短絡的に長時間座るのがダメとは言えないようですが、やはり同じ姿勢は長く続けないようにし、また座る姿勢にも工夫をすることで健康維持に努めることは重要なようです。
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