海外旅行保険は、日本国籍の方でも外国籍の方でも、また日本に住んでいる方でも海外にロングステイされている方でも、皆さん海外のどこに居ても同じ補償が約束されています。
でも一点だけ、日本の居住者の方と非居住者の方では、補償内容に違いがあるのをご存知でしたか?
それは、日本一時帰国中日本での病気やケガが補償される期間。
30日と90日、これ意外に大きな差。
ちょっと長期で一時帰国する際などは、わざわざ日本での補償を用意しなければならないかどうかが変わってきますね。
このように、日本での納税面だけで無く、保険についてもメリットのある非居住者。
勘違いしている方も多いこの非居住者、ポイントを解説します。
外為法上の非居住者とは?

まずは国税庁の通達から。
外国為替法令の解釈及び運用について (居住性の判定基準)
6-1-5、6
1 個人(3に掲げる者を除く。)
個人の居住性は、当該個人が本邦内に住所又は居所を有するか否かにより判定され
るが、その判定が困難である場合もあるので、次に掲げるところにより、本邦内に住
所又は居所を有するか否かを判定するものとする。
⑴ 本邦人の場合
イ 本邦人は、原則として、その住所又は居所を本邦内に有するものと推定し、居
住者として取り扱うが、次に掲げる者については、その住所又は居所が外国にあ
るものと推定し、非居住者として取り扱う。
(イ) 外国にある事務所(本邦法人の海外支店等及び現地法人並びに国際機関を含
む。)に勤務する目的で出国し外国に滞在する者
(ロ) 2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者
(ハ) (イ)又は(ロ)に掲げる者のほか、本邦出国後外国に2年以上滞在するに至つた
者
(ニ) (イ)又は(ハ)までに掲げる者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞
在期間が6月未満のもの
〜以下省略〜難しい表現にはなっていますが、ポイントは海外にある企業や日本企業の支店で働くために渡航している方、2年以上海外に居る方、既に様々な理由から2年以上海外に在住している方を非居住者とし、6ヶ月未満の一時帰国はOK、ということですね。
多くの方がしている勘違いとは?


- 「非居住」の間違い1:180日以内の日本滞在ならOK
- 「非居住」の間違い2:住民票を外したらOK
- 「非居住」の間違い3:ずっと海外にいるからOK
- 「非居住」の間違い4:海外法人を立てたからOK
- 「非居住」の間違い5:日本の税金は全て払わなくてOK
納税上、ただ上記のような状況だからと言って、簡単に「非居住者」として認められる訳ではないようですので、くれぐれもご注意ください。
海外旅行保険で非居住者として保険申請をする際のポイント

では、海外旅行保険で実際に一時帰国中の補償を「非居住者」として利用したい場合、保険会社は税務調査のような事細かな調査やエビデンスを要求するのでしょうか?
利用出来る期間が長くなるのは助かりますが、そのためにいろいろな書類や調査があるのは面倒ですよね。

例えば海外現地の企業の、過去2年分の給与明細とか、これから2年以上通う予定の留学先の案内などが証明書の一つになります。

もしくは1年で加入しても、それを既に一回以上延長・更新していれば、それはすなわち海外に2年以上滞在するという意思確認になります。