日本人にとって、海外での大きな安心を手に入れることが出来る「海外旅行保険」。
海外での病気やケガなどのもしもに備えることが出来るのはもちろん、他人にケガをさせた!他人の物を壊した!身の回り品を盗られた!落とした!などの日常生活中のトラブルにも備えることが出来ます。
そんな海外旅行保険ですが、休暇を利用して海外旅行に行かれる方と、長期で海外に滞在している・移住されているあなたでは、その利用方については異なることを理解しておく必要があります。
そこで今回は、長期海外滞在者・移住者向けに「海外旅行保険のトリセツ(取扱説明書)」を海外旅行保険のプロが伝授いたします!
まず重要なこと、それはイザ!という時に安心な病院・ドクターを決めておくこと

単なる海外旅行であれば、事前に病院やドクターを選んでおく必要まではありませんが、長期在住となると話は別です。
「何かあった時には、海外旅行保険のサポートデスクで病院を案内してくれるんでしょう?」
はい、もちろんそうですが、サポートデスクで案内される病院が必ずしもその病気やケガの治療に優秀で安心な病院とは限りません。
実際、サポートデスクで案内された病院の治療にミスがあり、余計に症状が悪化した事例も私はいくつか知っています。
日本でも、有名な病院だからと言って担当するドクターがその病気に長けているとは限らないのと同様です。
ですから、長期滞在のあなたなら保険会社の提携病院では無く、こういう病気の際には○○病院の□□ドクターがいい、という情報を事前にリサーチしておくことが大切です。
そして保険ご加入後、事前にサポートデスクでその病院が保険適用となるかどうかを確認しておけば尚安心ですね。
生死を争う緊急時には病院やドクターを指定して治療を受けるのは難しいですが、応急処置後や重大な病気にかかった際には、しっかりと希望を伝えて治療にあたれるようにしてください。
海外旅行保険なら、海外で発症した病気でも日本に帰国して継続治療が出来るので、日本の信頼のおける病院・ドクターを確認しておいてもいいでしょう。
特約などは、旅行者を対象としていることに注意を

メインの治療救援費用以外で、賠償責任や携行品損害などの特約は、基本・出張者や旅行者を想定して補償するようになっています。
どういうことかと言うと、他人の物に損害やケガをさせた賠償責任、身の回り品を盗られたり破損させた際の携行品損害は、ホテルやホームステイ先の部屋内では補償の対象となりますが、賃貸で借りている部屋や自身のお住まいの中では補償の対象とはなりません。
つまり、ご自身で賃貸している部屋の中を水浸しにしてしまったり、部屋内で身の回り品や家財を盗難・破損しても対象外となっていることに注意が必要である、ということ。
長期在住だったり移住なら、通常はホテル住まいということはありませんので、お気を付けください。
尚、日本からの駐在や留学目的での長期滞在であれば、借りている部屋内での損害も補償が出来るようにすることが可能です。
一番重要な、治療費利用のトリセツ

さて、最後に一番重要なポイント。
日頃の病気やケガなどに対する、治療費用の利用の仕方です。
海外旅行中だけの保険と考えれば、ちょっとしたことでも気軽に利用して全く問題はありません。31日以内のプランなら、既に抱えている持病の悪化でも、気軽に保険を利用して病院に行くことが出来ます。
でも、何年にも渡って長期で海外に滞在されるあなたの場合はどうでしょうか。今は確定はしていなくても、もしかしたらこのままずっと海外在住となる可能性も大きいでしょう。
そのようなあなたが一番困るのは、無保険状態になることでは無いでしょうか?
ちょっとしたカゼや体の痛みでも気軽に利用できる海外旅行保険。しかし日本の健康保険感覚で気軽に頻繁に利用すれば、延長・更新が出来なくなる可能性が高くなる、というのが海外旅行保険の最大のデメリットなのです。
保険会社も、そのような日常利用で保険を使うことを一番チェックしています。いわゆる海外での日常生活上の健康保険代わりに使っているかどうかを最重要視しているんです。
本当に海外在住の日本人にとって、便利で安心な日本の海外旅行保険ですが、私自身もこの点については一番悩ましいポイントです。
私の本心で言えば、海外という環境の中では例え些細な体調不良でも是非とも海外旅行保険を活用してもらいたいと思っています。それは私自身も同じように年間の半分以上を海外で過ごしていて、その重要性を感じているからです。
とは言え、大したことの無い病気やケガで頻繁にご利用したことで、延長や更新・再加入が出来なくなるのも考えもの。長くこの保険のメリット、特に命に関わるような病気やケガに備えて海外旅行保険は絶対に重要だからです。
そこでアドバイスとしては、不要・不急の大したことの無い病気やケガは、市販のクスリやローカルの安い病院で保険を使わずに治療をした方がいいのは間違いありません。
誤解しないでください。せっかく加入した保険は出来るだけ使わない方がいい、という意味ではありません。
でも、薬局代わり・保険ならタダだから、という安易な利用は避けた方がいいでしょう。また、もしキャッシュレスでの治療だからと言っても、現地の医者の言いなりとなって、不必要な治療や薬の処方、血圧測定などは断った方がいいでしょう。
キャッシュレス利用した診察についても、希望すればいくらかかったのかは病院から診療明細のコピーをもらえます。海外旅行保険加入の外国人は、病院やクリニックからすれば絶好の稼ぎ対象であることは往々にしてあります。
その他、あなたが一時帰国を定期的にされていらっしゃるのであれば、渡航後90日は通常の海外旅行保険を使わずにクレジットカード付帯の保険から優先して利用する、という方法もあります。
但し、小さなお子様の場合には、そのようなご心配をせず、例え些細な異変でも積極的にご利用をされた方がいいのは言うまでもありません。
弊社では、ご加入時だけでなく更新・延長が出来なくなったケースでも、その方の状況に合わせてサポートをしております。特に多いのは、ご家族の内お子様だけ利用が多くなって更新が出来ないというケースですが、弊社が窓口となって保険会社との交渉なども行っております。
株式会社セーブユー
アメリカの場合は、予防医療の充実のために現地医療保険の併用も視野に

アメリカの場合は、そんな悠長なことは言っていられませんね。
ちょっとした切り傷で、バンドエイドを病院で巻いてもらっただけで日本円で6万円!毎回意味も無く血圧を測って数万円!なんて事例はザラだからです。
そんなアメリカ現地の医療保険は、保険が適用になるまでのディダクタブルが高額であったり、保険が適用になっても自己負担が保険内容により1割から3割以上負担になったり、意味なくコーペイという利用が課せられたりと、出来る限り安易に利用させない仕組みになっています。
ですからアメリカでは、ちょっとした体調不良でも海外旅行保険を利用しない訳には行きません。
でも、唯一アメリカの医療保険で評価出来るのは、医療費が高額な故保険会社も予防医療には恩恵をつけていること。
例えば、実際の治療には高額な自己負担が発生する医療保険のプランでも、日頃の健康診断や検査などは最低限の保険でも無料で対応してくれるものが多いようです。
これは逆に海外旅行保険では対象にならない項目。
ですから、あなたがアメリカ在住なら、現地で最低限の医療保険(健康診断などの対応可能なもの)にご加入の上、日本の海外旅行保険にご加入されるのがベストだと思います。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
海外でも日本でも安心な、日本の海外旅行保険まとめ
- 海外長期在住・移住のあなたなら、まずはどんな病気の時にはどの病院のどのドクターを受診したいのか、しっかりとリサーチをして決めておくことが重要。保険会社任せの病院選びはお勧めしません。
- 賠償責任や携行品損害などは、出張者・旅行者向けの補償となっているので、借りている部屋や自分の住まいの中では対象とはならないことにご注意を。
- 長く継続して加入が出来るように、不要不急の病気やケガにはあまり保険を使用しない方がいいと思います。但し、小さなお子様やアメリカなどでは、更新などのことより利用を優先してください。もしもの更新不可などにも、ご相談に乗ることは可能です。
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