2019年5月8日、以下のような注意喚起が外務省より発信されました。
海外における麻しん(はしか)・風しんに関する注意喚起
【ポイント】
●世界各地で,麻しん・風しんの感染例が多く報告されています。
●海外では麻しん・風しんに感染するリスクがあることを認識し,麻しん・風しんの予防接種を2回受けていない方は,受けることを検討してください。
●国内では,輸入例を発端とした集団感染も発生しています。
最近になってまた、世界各地で麻しん(はしか)・風疹が流行しているようです。
では、特に30代後半から50代が注意するべき理由とは?
麻しん・風疹とは?(外務省HPより)
まず、麻しん・風疹について、きちんと病気の内容を理解しておきましょう。
1.麻しん・風しん排除への取り組み
(1)日本は,2015年3月に世界保健機関(WHO)から,土着の麻しんウイルスが存在しない「麻しん排除国」に認定されましたが,その後も海外からの輸入例を発端とした集団発生事例が報告されています。
また,厚生労働省は,2020年までの「風しん排除」の達成を目指して,海外に渡航する人,風しんに対する免疫の不十分な人が多い30歳代後半から50歳代までの男性,妊娠を希望している女性などに対して,風しんの予防に関する啓発を行っています。
(2)これらを踏まえ,同省は,麻しんもしくは風しんにかかった(検査で診断された)ことが明らかでない人,予防接種を2回接種していない人または接種歴が不明な人は,予防接種を受けることを検討するよう呼びかけています。2.麻しんについて
(1)麻しんは,感染力が非常に強く,空気感染や飛沫感染によって簡単に人から人に感染する急性のウイルス性発しん性感染症です。潜伏期間は10~12日で,免疫が不十分な人が感染すると高い確率で発症します。主な症状は発熱,咳,鼻汁,結膜充血,発しんなどですが,まれに肺炎や脳炎になることがあり,先進国であっても,患者1,000人に1人が死亡するといわれています。
(2)2018年には,全世界で32万6千人の患者が報告されました。3.風しんについて
(1)風しんは,感染力が強く,飛沫感染によって人から人に感染する急性のウイルス性発しん性感染症です。潜伏期間は14から21日で,主な症状は発熱,発しん,リンパ節腫脹などですが,まれに脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど,入院加療が必要になることもあります。また,感染しても症状がでない不顕性感染が15~30%程度存在します。
妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると,出生児が先天性風しん症候群(CRS)を発症し,難聴・白内障・先天性心疾患などの病気をもって生まれてくる可能性があります。
近年,大規模流行の頻度は少なくなったものの,海外で感染して帰国後発症する「輸入例」の割合が増えています。
(2)2018年には,アフリカ及びアジアを中心に,全世界で約1万3千人の患者が報告されました。
だそうです。
思っている以上に、怖い感染病ですね。
そして麻しん・風しんの発生がない,あるいは非常に少ない国・地域では,滞在中に麻しんもしくは風しんを発症すると,感染の拡大防止のため,発症した本人はもとより,同行者も移動を厳しく制限されることになります。
何故30代後半から50代に特に警告するのか?
それは、国による麻しん・風疹の予防接種制度の実施時期に関わっています。
麻しん・風疹は、予防接種をきちんと2回受けた場合には、95%が免疫を獲得できるそうです。
しかし、麻しんは昭和47年以前、風疹は昭和37年以前は定期予防接種を全く行っておらず、その後どちらも個別接種や1回のみ接種などの時期を経て、平成12年からようやく完全2回接種となりました。
そのため、外務省からは今回特に、30代後半から50代の海外在住者の人たちへ警告を発信したんです。
麻しんや風疹になった時の、海外旅行保険の注意点
海外旅行保険は、感染症の場合通常の病気やケガよりも利用の範囲が広くなります。
例えば、通常の病気やケガの場合は、保険期間中に発症した病気やケガは保険終了後72時間以内までは利用が可能ですが、感染症の場合にはそれが30日まで有効となります。
また、入院を必要としない場合でも、隔離などの必要性から別途宿泊施設などを利用した際の客室料も保険の対象となるのです。
但し、海外旅行保険で感染症として認定されているのは一類感染症から四類まで。実は麻しんやインフルエンザは五類、風疹は指定対象外となっており、海外旅行保険としては「感染症」としての対応にはなりません。
その辺りはくれぐれもご注意してください。
まだ過去に予防接種していない、または一度しか受けていらっしゃらない方は、必ず予防接種を行っておいてください。
※参考記事
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/rabies_fear/” title=”発症したら致死率100%の感染症!狂犬病が発生していないわずか12の国・エリアとは?” content=”日本では撲滅された狂犬病も、海外では発症しています。発症ゼロの地域以外の方は、くれぐれも予防接種を行っておいてください。”]
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/foreign-ministry/” title=”外務省が日本の海外旅行保険加入を特に推奨する、14の国。” content=”日本人の海外での安心・安全を守る外務省。特に海外旅行保険を推奨する14の国とは?”]
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/measles/” title=”日本一時帰国中、海外戻る前日にお子様がはしかに感染。海外旅行保険のお役立ち度は?” content=”はしかやインフルエンザの場合、完治するまで飛行機の搭乗も出来ません。そんな時、海外旅行保険はどこまで補償してくれる?!”]
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
海外でも日本でも安心な、日本の海外旅行保険まとめ
- 最近外務省より、世界各地で麻しん・風疹が流行しているという注意喚起が発表されました。特に30代後半から50代の方が注意が必要とのことです。
- その理由は、日本の予防接種制度の問題と関わっています。30代後半から50代の方は、2回接種をされていないケースが多いからです。
- 麻しんや風疹は、海外旅行保険では感染症としての認定にはなりません。よって通常の病気と同じ扱いのため、ご注意をお願いします。
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