世界中でアメリカに次いでたくさんの日本人が滞在しているのが、私も年間の半分以上ビジネスで滞在する中国。
海外旅行保険に加入している私達日本人が、実際に中国で病気やケガの際に現地でサポートをしてくれている、中国の医療アシストサービス会社に実情をインタビューしてきました。
風邪や発熱程度の軽いものから、緊急移送や遺体搬送なども手がける中国現地の医療アシストサービス会社の方から聞いた現実。
生々しい事実を聞けば、海外旅行保険の有り難さ、はたまた海外現地での領事館の有り難さも改めてよ〜く分かりました!
わずか中国一国だけでも、年間の相談・アシスト件数は3万件!
外務省HPより、平成29年の中国滞在3ヶ月以上の日本国籍者の人数は約12万人。
今回インタビューしたSSC医療アシストサービスでは、日本の大手一社の海外旅行保険にご加入の方だけに、中国現地でのアシストサービスを行っています。それでも年間の受電件数は何と3万件です!
単純に、中国滞在の日本人4人に一人が何かしら病院のお世話になっている計算です。それも一社の保険会社だけでこの人数なのが実態なのです。
現地の医療アシストサービスとは、通常の海外旅行保険のコールセンターと違い、海外現地で病気になったりケガをした日本人に対して、地域密着で病院の案内や自宅までのお迎え、そして付き添いや通訳、保険金支払いなどを行うサービス。
ですから、日本からいろいろと手配するサポートサービスとは違って、その対応の速さや現地病院との連携など、特に重大な事態の際には非常に心強い存在となります。このような現地の医療アシストサービスは、どの保険会社でもある訳ではありません。またどの国にもある訳ではありません。
今回取材したSSCは、中国に特化した会社で、中国の会社です。日本人も現在3名が常駐しており、あとの大半のメンバーは中国人。中国全土20都市に事務所を設置し、既に創立20年以上となっています。
中国特有の政情リスクがあるからこその、中国系現地アシストサービスが頼もしい味方に
短期での旅行や出張であればあまり気にはしなくてもいいですが、私達のように長期で海外に在住する場合にはいざ!という時の対応は非常に重要になってきます。
短期渡航なら、諸々の対応は帰国後でも構いませんが、年に1度、もしくは数年に一度の一時帰国をしている方なら、保険金の受け取り方法や、イザという時のフォローは切実な問題。
日本の損害保険会社では、殆どの会社で海外旅行保険を販売していますが、保険料だけを全面に出して「いざ!」という際のフォローにはあまり触れていません。特に日本との政情不安の波がある中国では、提携している医療アシスト会社も重要なファクターとなります。
2012年。忘れもしない尖閣デモが起きた年。その時今回インタビューしたSSCのトップから聞いた言葉。
「もしもこの中国で日本人の皆さんに何か起きた時、日本からの対応や日系企業では危険を免れないかもしれない。でも、私達中国系企業なら、もしもの有事でも日本人の皆さまを守れます!」
その言葉に、保険という枠を飛び越えた安心を感じました。
保険会社では敵わない、現地ならではの安心
通常の保険会社では、全て海外現地からの医療相談は日本のコールセンターで受けます。
そして、機械的に海外現地の病院に依頼をします。仕方ありません。
ですから、どうしてもその後の対応も機械的になりがち。
しかし現地に提携している医療アシストサービス会社があれば、日本からの対応とは比べものにならない密着したサービスを迅速に受けられます。保険金受取も、日本の銀行口座以外でも、現地の銀行口座でOKです。
実は日系の医療アシストサービスもかなり普及している中国。しかしサービスの質や内容では、現地企業には及びません(これらの会社は、保険料と別に会員料金も発生します)。
今だにお酒の一気飲み慣習がある中国では、飲酒が原因と思われる突然死も多数!
おととし、在中国の半官半民の会社の副所長が、黒竜江省で会食の翌日、ホテルのベッドで亡くなられた事故をご存知でしょうか。
そう、飲み過ぎで寝ている最中に嘔吐し窒息死です。
最近では、中国でも乾杯の嵐という飲み方も随分減りましたが、それでも今だ地域によっては、散見されます。外務省の発表では、中国では毎年100人以上の日本人が突然死していますが、脳疾患・心疾患に加え、多量の飲酒が原因のケースも多いだろうとSSCの方は言っていました。
その他SSCでは、毎年40件以上の緊急搬送、10件前後の遺体搬送をしているそうです。先月には、今まで海外旅行保険に加入されていなかった方が、ご加入後10日ほどして心筋梗塞となりSSCに連絡。幸い命には別状無く、またかかった医療費15万元(日本円で約255万円!)も無事海外旅行保険から払われたそうです。
ちなみに、身元や海外旅行保険に入っているかどうかが分からない、意識不明の日本人が救急搬送されると、病院ではまず領事館に問い合わせをするそうです。これをお読みのあなたも、少なくとも身の回りのご家族や同僚と海外旅行保険の情報を共有しておくとともに、現地の領事館にも海外滞在登録をしておくことをお勧めします。
それが、いざ!というときの、最大のご自身の安全確保になるということをお伝えします。
※参考記事
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/chinese_-insurance/” title=”日本の海外旅行保険VS海外現地の医療保険〜中国編〜” content=”中国滞在の日本人のあなたに、日本の海外旅行保険と中国現地医療保険の違いをご説明します!”]
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/pitfall/” title=”「安心」を売る証券には裏がある〜海外旅行保険に潜む落とし穴” content=”安心を謳う日本の海外旅行保険にだって、証券の裏には落とし穴だってあるんです。”]
[blogcard url=”https://www.kaigai-hoken.info/foreign-ministry/” title=”外務省が日本の海外旅行保険加入を特に推奨する、14の国。” content=”日本の外務省が、世界約200カ国の中で得に日本の海外旅行保険を推奨している14の国があります。中国もその一つです。”]
最後までお読みいただき、ありがとございました!
海外でも日本でも安心な、日本の海外旅行保険まとめ
- 日本人が多数滞在している中国では、病気やケガの相談やアシストも保険会社一社だけでも年間3万件以上!
- 通常の海外旅行保険のアシストサービスに比べ、現地のサービスがあれば対応の迅速さや地域密着の対応など、安心感もグッと高まります。政情不安も考えれば、中国現地の中国系企業ならより一層の安心が得られます。
- 飲み過ぎや脳・心疾患での突然死も毎年100人以上!周囲の方との情報共有と、領事館への滞在登録はとても重要です。
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