快適な空の旅につきものなのが、飛行機の「遅延」や「欠航」。
こればかりは、陸路以上に天候やトラブルなどでどうしても発生してしまうもの。海外在住のあたなであれば、恐らく何度も経験をしていることでしょう。
最近の日本では、2024年1月2日に羽田空港で発生した日航機と海保機の事故によって、その後約一週間、毎日200便以上が欠航となり約20万人ほどの足に影響が出ました。
「航空機遅延補償」とは?
①出発地から搭乗する予定であった航空機の6時間以上の出発遅延、欠航、運休もしくは搭乗予約受付業務の不備による搭乗不能、または、搭乗した航空機の着陸地変更により、出発予定時刻から6時間以内に代替機を利用できず、下記の費用を負担した場合
②搭乗した航空機の遅延等により、乗継地から搭乗する予定であった航空機に搭乗できず、乗継地への到着時刻から6時間以内に代替機を利用できず、下記の費用を負担した場合
・宿泊施設の客室料 ・交通費(その航空機の代替となる他の交通手段を利用した場合の費用をいいます)・渡航先での各種サービス取消料 ・食事代
この「航空機遅延補償」は、日本からの国際便のみならず、海外の国内便でも有効です。
では、この補償で得られる保険金ですが、大体どの保険会社でも上限が2万円迄の実費分、となっています。
東京海上日動では、余分な宿泊費が掛かったなら定額3万円、余分な交通費や渡航先のサービス取消料が掛かったなら定額1万円、食事代なら定額5,000円です。
いくら料金が掛かっていても項目によって一律の定額支払いとなり、且つ一番高額な項目のみ、となります。
小堺の12月に発生した事例
私が12月中旬に中国に行った際の話。飛行機は行きも帰りも成田ー上海便。現地では上海到着後、江蘇省というところに新幹線で移動していました。
帰国便は、12月16日午後2時の浦東空港発。
ところが前日、上海に戻るための新幹線が大雪で全便運休。この新幹線代は、キャンセル手続きにて返金に。
15日に予約していた上海のホテルはキャンセルしようとしましたが、中国式でどこに連絡していいか分からず、結局事前に払っておいた宿泊代は戻りませんでした。
その後航空会社からも悪天候による欠航の連絡メールが入り、フライトは当初の予定の翌日、17日上海→羽田便に振替となったのです。
振替便での帰国の前日、江蘇省から上海まで新幹線で移動。その日は上海のホテルで一泊し、翌日17日夜9時のフライトで帰国。
羽田到着は日付が変わって深夜1時。当然帰宅する交通手段は無いためタクシーにて帰宅となりました。
さて、私のこのようなケースでは、どの費用でいくら保険認定されたでしょう。
当初予約していてキャンセル出来なかった宿泊代、そして深夜のため羽田から乗車したタクシー代は認定されませんでした。
欠航となった便の夜のホテル代、そして翌日に乗車した中国の新幹線の分のみが適用となり、
上限が高い3万円の定額分のみを受け取ることとなりました。
このように、搭乗予定であった便が欠航と決まった以降に発生した、ホテル代や新幹線代が対象となり、
便の延期のために無駄になった宿泊代や、深夜到着を理由にタクシーを使わざるを得なかった、というのは認められなかったのです。
(※加入していたのは、東京海上日動火災の海外旅行保険です)
「航空機遅延補償」のお得感は?
大した補償では無いな、、、そう思われる方も多いでしょう。また、最近のプランでは、この補償が付いていないものも増えています。
但し、「航空機遅延補償」分の保険料も、1年間でもわずか350円程度。
頻繁に飛行機に搭乗する方であれば、遅延や欠航はよくあること。決して気分のいいものではありませんが、
この補償が付いていれば、「仕方ない。その分美味しいご飯でも食べましょう」という気休めにはなりますね。
付けられるのであれば、私はあってもいいのでは無いかと思っています。
(※航空機遅延自体は年間でも350円ですが、セットで付ける手荷物遅延が年間300円となります。)
こんな時使える可能性があるのが「航空機遅延補償」。私も12月に中国に出張した際、悪天候で上海→成田行きの便が欠航となり、保険を申請しました。
そこで今回は、『航空機遅延補償』について補償内容や適用になる事例、この特約のお得感などを解説します。