海外旅行保険とは本来、『海外旅行中の急激かつ偶然な外来の事故によるケガ、病気の発病、携行品の破損といった様々な事故に対して保険金をお支払いする』ために作られています。
つまり、ある一定期間だけの補償を想定しているので、高額な補償を非常に安い保険料で手に入れることができるのです。
死亡保険も、一生涯の保障よりも5年や10年だけの定期保険の方が、お安くなっているのと同じ仕組みです。
ですから、長期間海外で生活したり、海外に移住をされた方には不向きな点もいくつかあります。
治療費用180日ルールとは?
あなたが海外旅行保険に入った一番の目的は、海外での高額な医療費に備えてのことだと思います。
弊社の支局がある上海では、風邪で数回日系クリニックに行った程度でも5万円前後は当たり前。
中国人の方が利用するローカル病院なら外国人でも安く受診が出来ますが、その代わり3時間待って診察3分という世界。
弊社の支局候補地、東南アジアやハワイでも、海外旅行保険があれば高級ホテルのような病院でも安心して治療が受けられますが、逆に言えば無保険だったり普通の医療保険では、大変な出費を覚悟しなくてはなりません。
本当に海外では頼もしい海外旅行保険ですが、どんなに重大な病気やケガでも完治するまですべて保険が対象になる訳ではありません。
病気の場合は初診日から、ケガの場合は事故の日から、その日を含めて180日以内に必要となった費用までが保険の対象としています。
つまり、半年を越えたらどんなに治療が必要であっても、一切保険の対象にはならずに補償は打ち切りとなります。
知らないと損をするポイント①治療費だけが対象ではありません。
日本の健康保険や海外の医療保険のように、実際にかかった治療費だけが対象というわけではありません。
海外旅行保険では、『治療費用保険金』について以下のように定義されています。
実際に支出した治療費等のうち社会通念上妥当と認められる金額。但し、ケガの場合は事故の日から、病気の場合は初診の日から、その日を含めて180日以内に必要となった費用に限ります。
海外旅行保険なら保険金対象となる費用で、特に特徴的なものは以下となります。
- 緊急移送費
- 病院が利用出来ない場合や医師の指示による宿泊施設費
- 通訳雇入費用
- 病院までの交通費(タクシーも大丈夫です)
- 入院の為に必要な身の回り品の購入費用や国際電話代
- 旅行行程から離脱した後、当初の行程に復帰、もしくは直接帰国する交通費、宿泊費
このように、海外旅行保険ならではの補償もいろいろありますので、忘れずに請求をしてくださいね。
知らないと損をするポイント②保険を延長・更新しても、180日は延長されません。
よく勘違いをされる方も多いのですが、保険自体を延長・更新しても、一つの病気やケガについての治療期間は延長・更新はされない点にご注意ください。
処方される薬も180日以内に収まる分までしか認められないって、ご存知でしたか?
例えば治療を始めて6ヶ月経過する直前に、薬だけ2ヶ月分出してもらう、なども駄目なんです。
再検査のタイミングなどにも注意が必要です。必ず180日以内に収まるように、診療・検査の計画を立ててください。
但し同じ病気やケガであっても、慢性病では無く、別の原因や完治後に発生したものなら改めてそれについて180日ルールが適用となります。
単に治療を中断していただけの場合は、180日ルールが適用されます。
知らないと損をするポイント③保険期間内に受診した場合は、保険終了後でも最長180日間保険適用
治療期間の180日は、保険期間中で無ければならない、ということはありません。
例えば、明日帰国で保険は満期終了の予定。
その前日である今日ケガをして病院で受診をした場合は、保険自体は明日で切れてしまいますが、今日から最長180日の間にかかる治療費などの費用がすべて保険適用となります。
このことは、意外に知らない方が多いようです。
また、受診の期限は、保険の最終日では無く最終日から72時間以内です。これがコロナなどの特定感染症の場合は最終日から30日以内にまで延長されるんです。
治療についてはもちろん、帰国されたあと日本で継続出来ます。
これは大きな安心ですね。
このように、治療費180日ルールについて正しく知っていることで、損をしないで済むことがいろいろあるんです。
その他聞きたいことがあれば、どうぞお気軽にご質問ください。
長期間海外で生活したり、海外に移住をされた方は入れない、ということではありません。
不向きな点の一つとしては「治療費180日ルール」が挙げられます。
今回はみなさんと、「治療費180日ルール」で知らないと損をする3つのポイントを勉強しましょう。