アメリカで新型コロナウイルスの感染が確認された人の数が1月1日、累計で2000万人を超えました。亡くなった人はこの3日間で合わせて1万人を超えるなど、感染拡大の状況は去年3月以降、最悪の水準となっています。
イギリスでも1日の感染者は5万人を越え、日本でも遂に4,500人を突破するなど、世界中で依然猛威を奮っています。
また変異種も各地で発見され、新たな脅威となっています。
昨年の今頃、せいぜい寒さも落ち着く春先には終息するものと考えていましたが、一年経った今でも感染拡大が世界中で更にひどくなっていることを、一体どれだけの人が想像したことでしょう。
新型コロナウイルスはただの風邪であるとか、いろいろな憶測や陰謀論なども飛び交いましたが、実際に世界では8,270万人もの人々が感染をし、そして180万人以上の人々が命を落としました。
世界の人口の1%が感染して、世界最悪の感染症とされている結核の、2019年の死者数140万人を上回ったということは事実なのです。
損害保険業を通して1年間コロナに関わってきた弊社の、2021年コロナの動向についての予測をお伝えします。
新型コロナウイルスはただの風邪?

新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスは、形も初期症状も非常に良く似ています。
そして2020年、新型コロナが猛威を奮った分、例年感染拡大するインフルエンザは沈静化したことで、逆に死者は大きく減った。だから一般のインフルエンザの流行と大差は無い、と言う人も居ます。
でも一つ忘れてはいけないことは、新型で有るが故に、現時点では効果的な治療薬がまだはっきりとしていません。予防するワクチンも、ようやく接種が始まったばかりで、その効果には確証がありません。
インフルエンザは、寒くて乾燥した時期に蔓延しますが、新型コロナウイルスは真夏でも感染拡大しました。
基礎疾患がある場合には、突然一気に重症化する事例が発生しています。
また例え基礎疾患が無い方でも、感染から回復後3割の方に呼吸器疾患など、なんらかの後遺症が残る可能性がある、とも発表されています。

その他にも、感染・発症して入院。特に重症化したわけではありませんでしたが、陰性になって退院後半年経っても、未だに後遺症に悩まされて仕事に復帰が出来ていない方も2名いらっしゃいます。
例え基礎疾患があっても、インフルエンザにかかって数日で重症化や急死した例は、弊社では過去ありませんでした。
また、インフルエンザの後に後遺症が残った方もいらっしゃいません。
大半の方が無症状であったり軽症で風邪と同様の症状だとしても、従来のインフルエンザとは違って、やはり新型に変異した未知のウイルスなのです。
ですから、ワクチンが世界中に浸透し、効果的な治療が確立するまでは、出来る限りかからないように予防に努め、感染を避ける行動をする必要があります。
そして万一感染した場合に備えて、特に海外に渡航・在住の場合はしっかりとした補償の保険を備えておくことです。
タイやその他東南アジアの国に入国する条件として、10万米ドル以上且つコロナもきちんと補償する保険に加入が必須条件となっているのは、自分を守るためにも大切なことなのです。
私には関係無い、と思ってはいけない

ニュースでは感染拡大が大騒ぎになっていても、自分の身の回りに感染者や重症者が居ないことで、油断をされている方も多いようです。
特に感染しても無症状のケースが多い若い世代は、感染予防の行動に緩みが見られています。


神経質になり過ぎて、精神的に病む方が怖いですね。

不慮の事故で亡くなる可能性が増すことを想定もしていません。
感染者が増えれば、コロナでの死亡者も増えるが、がんなど他の病気や事故等での重傷者も死亡する可能性が増すので、コロナ以外での死亡者も増えることに気付いていないのです。
今各国の政府には、医療崩壊は若い人の命も脅かす可能性がある、というメッセージの発出が不足していると感じています。
頻繁にPCR検査をしているから大丈夫?

最近では、非常に格安な料金で自費PCR検査が出来るようになりました。
弊社の近くにもPCR検査センターが新設され、2,980円という格安な料金のため連日長い行列が出来ています。
海外渡航に72時間以内の陰性証明が条件になっていることや、実家に帰省をする前に親を安心させるため、などという方も多いようです。
一般の企業でも、顧客への安心のアピールとして利用しているところも増えています。
でも、ご存知ですか?
PCR検査が、陽性者を陽性と判定する確率は、一説によれば70%ほどなのだそうです。残りの30%は、そうです、偽陰性となって「問題なし!」となってしまうのです。
そんな大勢の偽陰性の人たちが、自分の感染に気づけず、診療・隔離もされない。
また、PCR検査を受けた時点では陰性であっても、そのすぐ後に感染をする可能性も十分にあります。
逆に、陰性なのに陽性と判定される確率も1%ほどと言われています。1万人検査を受けると、100人が感染もしていないのに隔離され、医療資源を無駄に使ってしまうのです。
つまりPCR検査は、発熱などの症状が実際に起きていて、医師が検査を必要と判断した人、感染している確率が高いと思われる症例に対して行った結果、やはり「陽性」だったという判断に使う時には非常に有効ですが、コロナ感染拡大を止める手段にはならない、ということです。
ワクチン接種開始で終息となるか

通常は何年何十年もかけて開発されるワクチン。
それが新型ウイルスの感染拡大に合わせて、わずか1年足らずでワクチンが開発されました。
このことも、様々な憶測や陰謀論を呼ぶ根拠となっています。
副反応に対する心配も大きく、今でもかなりの方が新型コロナワクチンの接種については懐疑的です。
私自身も、皆さんや自分の家族に、現時点で「絶対に安全だから接種をするべき」、と強く勧めることは出来ません。
しかし、今回に限らず人類の歴史はウイルスとの歴史でもあり、一般のインフルエンザのようにウイルス自体が弱毒化して共存されるか、有効なワクチンが開発されることしか今の状況は変えられません。
ワクチンなしに、大きな犠牲なく日常を取り戻すのが不可能なことは、概ね世界の共通認識となっています。
現在世界各国で開発されているすべてのワクチンが、安全で有効であるとは言えませんが、とは言えファイザーやアストラゼネカなどの大手のものは、透明性や治験内容について相当信頼性が高まってきているようです。
10年20年後に何か重大な影響が起きる可能性は否定できませんが、正直世界が以下のような流れとなっていくのは間違い無く、もはや自分だけ避けて通れなくなることも間違い無いでしょう。
「ワクチン接種証明 米で議論」
米国ではワクチン接種の有無を示すスマートフォン用のアプリ開発が進み〜中略〜広く活用されれば経済活動の正常化にプラスに働くと期待されるが、ワクチン接種を受けた人と受けない人の間での「機会の不平等」につながると反発も強い。2021年は、海外旅行やスポーツ観戦などでアプリによって健康状態を証明することになるのだろうか。〜12月31日 産経新聞より〜

フランスでは、航空機どころかワクチン接種証明がないと公共交通に乗せないという議論も始まっています。
私達のように、特に国際間を行き来する者にとっては、もはや避けられないことだと思っています。つまり、ワクチンの副反応よりも、接種しないことの弊害が怖い世の中になるということです。
WHOでも12月31日、米ファイザー・独ビオンテック社のワクチンを承認しました。
2021年は、ワクチンが世界の流れを大きく左右するキーになりそうです。

それまでは、まだまだロックダウンや緊急事態宣言、失業や倒産の連鎖など様々なことが起こりそうですが、身体にだけはくれぐれも気を付けて乗り切って行きましょう!
脂質異常症、高血圧などの基礎疾患を持っていることも、私と同じで他人事には思えませんでした。