アメリカでは、3月13日より欧州からの渡航受け入れを30日間停止したことに続いて、19日すべての海外渡航の中止を求める勧告を出しました。
「渡航の中止」は、国務省が出す4段階の渡航情報の中で一番上の「レベル4」で、最も厳しいものです。
世界の各国でも、渡航先に対してや受け入れについての規制を次々と出しており、渡航を急遽断念せざるを得ないケースが頻繁に発生しています。
また、渡航前に「コロナに感染してしまった!」、「同居の親族が感染した!」、「自分も濃厚接触者なので渡航は自粛したい!」などの理由よって旅行を取りやめなければならないことも。
そんな事態に備えて、最近海外旅行保険に「旅行キャンセル費用」、もしくは「旅行変更費用」と呼ばれる補償を付けたい、という希望が増えています。
ではこのキャンセルに備えた補償、どんな時に補償され、どのくらい役に立つのでしょうか?
「旅行キャンセル(変更)費用」保険について
どういったことに備えられる補償なのか?
どんな時に保険の対象となるのか?
- 補償対象者等(同行予約者を含みます。以下同様)または補償対象者等の配偶者もしくは3親等以内の親族が死亡した場合または危篤になった場合。
- 補償対象者等または補償対象者等の配偶者 もしくは2親等以内の親族が傷害または疾病を直接の原因として入院した場合。ただし、入院が補償対象者等については出国前には継続して3日以上、その他の者については出国前後にかかわらず継続して14日以上に及んだ場合に限ります。
- 補償対象者等の居住する建物またはこれに収容される家財が、火災や風災、建物外部からの物体の飛来などのいずれかによって損害を受け、その損害の額が100万円以上になった場合。
- 渡航先(訪れている渡航先またはこれから訪れるもしくは経由する予定を含む)において、次に掲げる事由のいずれかが発生した場合(ア)地震もしくは噴火またはこれらによる津波(イ)戦争、外国の武力行使、暴動またはテロ行為(ウ)運送・宿泊機関等の事故または火災(エ)渡航先に対する退避勧告等の発出(日本国政府が発出する退避勧告または渡航中止勧告をいいます)
- 補償対象者等に対して日本もしくは外国の官公署の命令、外国の出入国規制または感染症による隔離が発せられた場合
事例別に対象になるかどうかを見てみましょう
韓国に渡航予定であったが、コロナ感染拡大により渡航を中止した場合
この場合、エリアによって渡航中止した費用や、渡航後中途帰国をする際の費用が保険適用となるかどうか違います。
例えば、慶尚北道奉化(ポンファ)郡や大邱(テグ)広域市であれば、「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」のため、上記適用となる主なケースの④に該当しますので、保険が適用となります。
渡航中止勧告地域以外の韓国全土は、「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」であるため、保険の対象にはなりません。これは他の国でも同様の考え方となります(※大手旅行会社や航空会社では、無料キャンセルや延期の対象となるケースがあります)。
感染者確認国・地域(注:日本を含む)からの入国・入域制限が行われている国・地域に渡航する場合
例えばタイでは、コロナの陰性証明書とコロナ保険に加入していなければ入国の便にチェックインが出来なくなりました。
また、中国のように入国後に検査と例え陰性でも2週間の自宅や施設内での待機が義務付けられている国も多数あります。
このような国へは、例え渡航は禁止されていなくても非常に高いハードルがあるため、渡航を断念するケースは多いでしょう。しかし残念ながら、このような理由では保険の対象にはならないのです(※大手旅行会社や航空会社では、無料キャンセルや延期の対象となるケースがあります)。
祖父がコロナに感染し発症。入院治療となった場合
これは上記適用となる主なケースの②で、コロナのために最低でも14日間以上は入院となりますので保険が適用となります。
自分自身や同行予約者の場合には、継続して3日以上の入院する事例で該当となります。
同居の親族が感染し、濃厚接触者となってしまったので念の為渡航をキャンセルした場合
日本では現在、濃厚接触者であるからと言って特に行動に規制は設けていません。もちろん、出来れば自主的に規制をするべきだとは思います。
しかし保険としては、濃厚接触者になってしまったから念の為渡航はキャンセル、という理由では適用にはなりません。