最近では、すっかりとウクライナ侵攻の影に隠れていますが、コロナの感染も決して収まった訳ではありません。
私が昨年12月に訪れたハワイでは、5月半ば以降に感染が急拡大しているようです。
また、ハワイに限らず弊社のお客様からは、日々コロナに感染してしまった!という御相談が今でも何本も入ってきます。
大半が無症状や軽症ですが、それでもやはり重症化されて約2ヶ月も集中治療室に入られていた方、隔離期間が終わって以降も様々な症状や不定愁訴に悩まされている方も居ます。
LongCOVID(ロングコビッド・コロナ後遺症)と思われる場合の注意点
新型コロナウイルス感染症に感染した後、治療や療養が終わっても、倦怠感や味覚・嗅覚の障害、頭痛、息苦しさといった症状が長引く、罹患後症状のある人がいることが分かっています。
そのような症状のことを、「LongCOVID(ロングコビッド・コロナ後遺症)」と呼んでいます。
WHO(世界保健機関)の定義によれば、新型コロナウイルスに罹患した人で、倦怠感、息切れ、思考力や記憶への影響などの症状が少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないものとされています。
私の一番下の息子は現在大学の4年生ですが、体操部の主将を務めるバリバリの健康優良児です。
そんな彼も、今年の4月にコロナに感染しました。体操部で、いわゆるクラスターが発生したそうです。
本人は殆ど無症状で10日間の隔離を終了、すぐに体操に復帰しました。
しかしおよそ一ヶ月が経過したここ最近になって、左の肺や背中のあたりに強い痛みを感じるようになったようです。
整形外科や内科など、いろいろと回っても原因が分からず、恐らくコロナの後遺症では無いか、と言われて現在リハビリを続けています。
海外旅行保険は、一つの治療期間は最長で180日間に注意
NHKの取材によると、
研究班でコロナ感染後の退院から3か月ごとにどのような症状があるか、医師の問診やアンケート調査をもとにまとめたところ、症状を訴える人は時間の経過とともに減る傾向でしたが、1年後でも、
▽9.3%の人が筋力の低下、
▽6.0%の人が呼吸困難、
▽4.9%の人がけん怠感があるとしていて、
全体で13.6%の人が何らかの症状を訴えたということです。
コロナ後遺症の厄介なところは、原因がはっきりと分からない、ということだと思います。
コロナに感染して症状が起こり、そのまま上記のような症状が続いている場合には、感染した時を初診として、そのまま一つの治療行為として180日間までは海外旅行保険が適用となります。
一方、感染時にはほぼ無症状や軽症だった場合、しばらくして上記のような症状に悩まされた場合は、コロナ感染の後遺症だと判断して治療をしてしまうと180日ルールに縛られてしまいます。
つまり、感染したその時から最長180日となってしまいますので、半年以上長引く後遺症には、途中から保険が使えなくなってしまいます。
ですから、原因が明確では無い場合には、安易にコロナ後遺症と判断せず、医師とよく相談した上で別の病気として治療を行った方がいいかもしれません。
PCR検査で陽性だった場合の注意点
コロナが感染拡大して以降、特に海外旅行保険が必要となった大きな理由の一つに、日本帰国前に必ず行わなければならないPCR検査があげられます。
そのことにより、誰にでも感染が発覚するリスクが出来ました。そして感染が発覚すれば、当然帰国は延期となり、そのための治療費や余計な滞在費用、隔離費用などがかかるようになったからです。
そのような事態に備えて、海外旅行保険があれば安心です。
ところでそのPCR検査ですが、どんな検査でもいいという訳ではありません。
PCR検査費用は補償の対象になるの?
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医師の指示によってPCR検査を受けた場合は、検査費用が補償の対象となります。
飛行機に乗るためのPCR検査費用や、自己判断による検査受検は補償の対象になりません。ただし、自己判断であっても下記の条件を全て満たす場合は補償の対象となります。
①病院で行ったPCR検査である(※1)。
②検査の結果が「陽性」であり、保険終期日から30日以内に医師による治療(※2)を開始した。
※1 薬局等の簡易検査は対象外。
※2 ①のPCR検査で「陽性」となった海外旅行中に感染した新型コロナウイルスの治療に限ります。
上記のようなPCR検査であれば、検査費用自体も保険が適用になりますが、少し気になるのは
「検査の結果が「陽性」であり、保険終期日から30日以内に医師による治療を開始した」
という点。
何故なら、最近では無症状の場合も非常に多く、陽性となってもただ隔離だけで医師による治療をしないケースが増えているからです。
今回の旅行では、日本帰国前に受けるPCR検査は空港の検査所で受ける予定で、それが上記の「医師認定のPCR検査」になるのかどうかよくわからず、それによって渡航先滞在延長に関わる諸費用が補償対象になるのかどうかわからないのが、とっても心配です。
KEIKOさん、御相談ありがとうございます。これ、分かりづらいですよね、、、不安になる気持ちはごもっともです。
簡単に言うと、その辺の薬局やネットで購入した検査キットで陽性だったからと、自主的に帰国予定を延ばしてフライトを変更したり、延長滞在分のホテル代を保険請求しても対象にはならない、ということ。
空港で行う検査機関の場合は、ほぼ医療法人の監修となっていると思いますので、医師が出した判定と同様とみなされると思います。
医師もしくは医師認定のPCR検査で陽性判定であれば、イコールその後の隔離などは、例え治療をしていなくても治療と同じこととなりますので、保険適用です。
信頼性の無い検査キットを受けて陽性でも、それで滞在の延長費用などは出せないというのは、ある種詐欺を防ぐためですね。
どうぞご安心ください。
コロナ感染後に、ホテル隔離される場合の注意点
上記のPCR検査についての注意でもお伝えしたように、特にオミクロン株が拡大して以降、海外でも無症状のためホテルで隔離される方が急増しました。
そのような場合でも、保険会社が認めたPCR検査での結果が陽性であれば、以下のように保険適用となります。
旅行中に新型コロナウイルスに感染し治療のため帰国できない場合、ホテル代や飛行機のチケット代は補償されますか?
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旅行中に新型コロナウイルスに感染し医師の治療をうけ、医師の指示で滞在された宿泊施設・ホテル代・帰りの飛行機代(払い戻し分を差し引いた差額分)は治療費用から補償されます。
※新型コロナウイルスに罹っていない場合は対象になりません。
ところが、このホテル代の件で保険会社と感染されたお客様の間で、支払いについてトラブルが頻繁に起きたのです。
日本での施設隔離や指定されたホテル隔離と違って、海外の場合は隔離でホテル宿泊中でも、自由にルームサービスを頼むことが可能なケースもあるようです。
また、高級ホテルの一角を感染者用に提供しているケースもあります。
そのような場合、例え感染して隔離のための滞在とは言え、掛かった費用が社会通念を超えて高額過ぎる場合は、全額を保険適用はしてくれません。
中には、意図的に超高級ホテルで豪勢なルームサービスを連日頼み、保険会社に払わせようとしていた方もいました(もちろん却下)。
例え悪意は無くても、病院での療養の水準を大きく超えた費用は保険適用とはなりませんので、くれぐれもご注意ください。
今回は、弊社に入った様々な相談事例より、特に皆様にお伝えしておきたい3つの注意点をお話させていただきます。
コロナは決して終わっていません。
まだ、どなたにでも感染する恐れがあることを忘れないでください。